そのころのテレビ製造技術と伝送に使える電波帯の制限から決められた規格。
ブラウン管テレビは、電子銃からビームを蛍光管に投射して、画像を作ります。
画面の右から左を、上から下まで埋め尽くすまで、繰り返します。この処理を走査といい、
作られる光の線を走査線といいます。
さて、一画面に費やす走査時間が短いほど、人間の目には画像として認識されます。
というのも、ブラウン管は細かい時間で見てみれば、一点しか光っていないからです。
もし、走査が遅ければ、光の点が走っていることしか分からないでしょう。
この画像として認識させるには、60分の1秒で画像を描画しなければならないそうです。
一枚の解像度が高いほど、テレビには早い速度(周波数)を要求されるわけです。
人間が自然だと解像度は、縦の画素数、525本(うちテレビに映る部分480本)。
横は640ドットだそうです。
これを毎秒60枚表示するには、どうしても当時のテクノロジーや、使える
電波周波数帯からは不可能なことであったようです。
でも、昔のえらい技術者は「解像度を落とす」なんてことは考えていませんでした。
以下、技術者のセリフ(創作)
技術者A
「だいたい秒間60コマというのは、ブラウン管方式であるために、画像を認識可能に
できるだけの、最適な速度だったよな」
「しかし、映画のフィルムは秒間24コマだぜ。
「縦の走査線は480本は最低ほしいし、秒間30コマなら信号に乗せられそうだけど」
「しかし、60コマ描画しないと、そもそも画像に見えないっていったよな・・・あーぎゃー」
「まったく走査線ってやつは」
技術者のお母さん
「今日は餅つきするよ、杵と臼を用意しとくれ!!」
こどもたち
「ハーイ」
ナレーター
おばあちゃんと孫たちのぺったんぺったんお餅つきが始まりました。
技術者A
「ぺったんぺったんか・・・ 大根おろし醤油で食べるとうまいんだよな。
替わりべったん替わりべったん。 真衣!! 怪我すんなよーっ!」
「あっ!!!」
「あっ、替わりべったんで、交互に表示すればどうだろう!
「奇数番の線と偶数番の線を交互に表示したら、描画も早いし解像度も稼げるぜ」
「しかも、60分の1秒で走査する本数は、半分で済むぞ!!」
「そうすれば、テレビの製造コストも抑えることが出来そうだ」*1
「俺って天才!!」
ナレーター
「かくして、インターレース方式が生まれるに至ったのです」
以上、こんなことはなかったでしょうけど、考え方の順序としてはこんなのだったのかなと・・・。
奇数偶数のセットで一枚の絵になりますが、次の絵の奇数を表示したとき、
一枚前の古い偶数の映像(残像)が残っていますので、欠点があるといえばありますが、
動画としてみた場合、気にならないレベルではあったんでしょうね。
もし当時から液晶テレビがあれば、映画フィルムをベースに秒間24コマでテレビを見る
信号規格ができていたかもしれません。
液晶テレビが普及した今となっては、もはや枯れたテクノロジーなんだけど、
現行のアナログ放送では、当時の規格が生き続けていますし、今後も古いテレビを活用する
場合も、デジタルチューナーで受信した番組を見るときに利用されるわけですから、
まだまだ廃れないだろうと思います。
最後に
フルハイビジョンで、どえらい解像度になっていますが、実のところわたしは480本でも
十分だと思えるし、大きなテレビでなければ、今でも遜色のないスペックだとも思えます。
だって、お笑い番組をフルハイビジョンで見てもなぁ。仕方がないでしょう?
壮大なドキュメントや、すんげーSF大冒険スペクタクルな番組しか価値ないよ(笑)
でも、たぶん細かい画像になれたら、480本では足りなくなるんでしょうね。
ちなみに、ファミコンなどの昔のゲーム機は、特殊なNTSC信号を作り出して、走査線
の片方だけでゲーム画面を作ります。解像度は240本足らずの走査線数ですが、
ちゃんと処理しているゲームだったら秒間60コマの描画でゲームが作られています。
これは業務用基板ですが、テレビと同じ水平同期信号で映りますので、同じ
仕様でしょう。
わたしは 奇数ラインと奇数ラインとの谷間の黒(偶数)ラインにノスタルジーを
感じるわけですが、それはまたの機会に。
*1 一度に走査する本数が減れば、周波数を下げられます。結果コストダウン、たぶん。


